ネタバレ注意です!
あらすじ
7歳の時、母親を亡くし、エルンスト公爵家の養子となった、ハリ。 しかし、公爵家の3兄弟から認めてもらえず、地獄のような日々を送ることとなった。 27歳で縁談が決まり、屋敷を出て行くことに。 ようやくこの地獄のような日々ともお別れかと思いきや、寝て起きてみると、 あの辛い幼少期に時が巻き戻っていた! 「これは夢? フン、そう簡単に覚めない夢なんだったら、今度こそ好き勝手にやらせてもらうわ!」(※ピッコマより抜粋)
登場人物
ハリ | 主人公。本当は27歳だけど、起きたら7歳に戻っていた |
ユージン | エルンスト家長男。冷静で、物事に動じない |
キャメル | エルンスト家次男。剣の天才で、やんちゃな性格 |
エーリッヒ | エルンスト家三男。ハリの事を特に敵視している |
アリナ | ユージン達の実の妹。病気で亡くなった |
ヨハネス・バスティーエ | ハリの未来の旦那様。とても優しい性格 |
ルイーゼ・バスティーエ | ヨハネスの妹。ハリとヨハネスが大好きで、キャメルが苦手 |
42話ネタバレ
前回は、エーリッヒが屋敷に帰ってきましたね。
仕事から戻ったユージンの手には青いバラの花束が握られていました。
「どうして急に花束を?」
「ローウェングリーンに持たされたんだ」
ローウェングリーンは…ユージンの金髪の従者ですね。
「薔薇だね。可愛い」
「これをハリの部屋に」
そう言うと、ユージンは手に持っていた青い薔薇の花束をメイドに手渡しました。
「私にあげてもいい物なの?」
「僕の物を好きにしてもいいだろう」
「自分でやりますから、渡してください」
そう言って差し伸べる手を、ユージンは悲しそうに見つめると花束をハリに手渡しました。
「ベロンティア嬢から招待状が届いたよ。いつか会って話してみたいって。「はい」と返事しようと思ってるの」
「わかった。話してくれてありがとう」
エダンを必ず連れて行くように、とユージンは念を押しました。
―――
――
―
「ハリ!会いたかった!」
「私も!最近はどう?」
ルイーゼと買い物をする約束をしていたハリ。
久しぶりの再会に2人は手を合わせてはしゃぎます。
「ハリお姉ちゃんが居なくて、退屈よ」
「私も。でも、こうしてあなたに会える事はとても嬉しい事だよ」
ハリの後ろで控えているエダンに気が付くと、彼は何者なのか尋ねました。
護衛だと説明すると、ルイーゼは嬉しそうに言います。
「素敵!私好みの男性よ!」
そしてエダンに質問責めをするルイーゼ。
フルネームは?連絡してもいい?と。
しかし、勤務中なので、とエダンは相手にしません。
「うん、タイプ!」
それでもグッドサインを出すルイーゼの強さにハリは感心しました。
2人はドレスを見に、服屋へと足を運びます。
「どれも素敵だね。どのくらいドレスを仕立てる予定なの?」
「うーん…2,3着かな。ルイーゼは?」
「私も!」
様々なドレスが並ぶ中、一着の白いドレスが目に止まり、ルイーゼは足を止めます。
「ハリお姉ちゃんに似合そう!」とルイーゼに言われ、ハリはドレスに手を触れて素材の感触を調べたりと、楽しい時間を過ごすのでした。
ドレスを見終わった後、2人は待合室のソファーに座り一休憩を入れます。
「少し休んでから計測を―」
「この私に待ってくれだなんて、どういう事よ!?」
ハリの言葉は突然の怒鳴り声でかき消されました。
あまりの大声に驚き、2人は思わず顔を見合わせます。
「誰が来てるの!?…は?エルンスト?」
声の主は、ハリ達が来ているために貸し切り状態になっているのが気に入らない様子でした。
「止めましょうか?」
「ちょっと待ってください」
カーテンの向こうでは店員が「お止めください」と必死に懇願しますが、声の主はそんなの気にせずに無遠慮にカーテンを開けます。
姿を見せたのは、長い金髪をポニーテールにし、意地悪気な吊り目の典型的な悪役令嬢でした。
たしか、ラベンダー・コーディス?
「あなたが・・・」
途中まで口にし、ハリに気が付いたラベンダーは驚いて表情が固まります。
「…ハリ・エルンスト?」
過去のハリなら笑顔で友好的に接したでしょう。
しかし、今のハリは静かに相手を睨みつけます。
「自分から挨拶をするのが礼儀ですよね?」
ハリに諫められ、令嬢は誤魔化すかのように声高らかに笑って言葉を続けます。
「まぁ、私ったら!あなたにお会いするのが楽しみすぎて、自己紹介を忘れてしまいましたわ!初めまして、私はラベンダー・コーディスと申します」
わざとらしいリアクションにムッとするハリ。
いつ攻撃されるか分からないな、と用心に徹します。
「私は考える前に行動してしまうので、失礼な態度を取ってしまいましたわ。理解してください。オホホ!」
令嬢の言葉に「わかりました」とハリは答えますが、その表情は厳しいままです。
「こちらのお方はバスティーア家のご令嬢かしら?」
「ええ。ルイーゼ・バスティーアです」
ルイーゼもまた、ハリ同様に厳しい表情を浮かべて答えます。
「お二人のお邪魔ですね。興奮しすぎたかもしれません。それでは私はこれで」
「後日挽回させて下さい」と付け加え、令嬢はカーテンの向こう側へと姿を消しました。
「急に飛び込んできてよく親し気に振る舞えるよね。変な子!」
頭にくる、とルイーゼは苛々とした様子で口に出しました。
好きになれないな、とハリも思います。
何事も起こらないと良いけど…
―――
――
―
そしてロザベラに会いに、ベロンティア邸を訪れる日がやってきました。
ベロンティア邸の入口では使用人達が総出でハリを出迎えます。
中へ通されると、そこではロザベラがハリを歓迎しました。
お茶会用に準備されたテーブルでは、ロザベラがお茶を注ぎながら尋ねます。
「かなりの距離があるので、ここまで来るのは大変だったでしょう?」
「心配してくださってありがとうございます。美しい景色が楽しめたので、それほど大変ではありませんでしたよ」
「それを聞いて安心しました」
ニコリと微笑むロザベラ。
ロザベラは、ミルクティー色の髪をした美人です。
彼女は10年経っても今の美しいままだとハリは思いに馳せます。
美しく優雅なその動作は淑女の中の淑女で、ハリの尊敬する人のうちの一人でした。
「私は、あなたに直接会ってお話したいと思っていました。しかし、あなたは私が思っていた方と全然違いました」
「どのようにですか?」
「あなたが馬車から出てきて屋敷に向かって歩いていくのを見たとき、私はまるで叔母を見ているような気がしました」
と、嫌味を抜きにロザベラは言います。
そんなに老けたように見えるって事?と内心ショックを受けるハリ。
「叔母は、私の尊敬する方です。あの方は、どんな時でも常にエレガントで洗練された所作をします。今でも、あなたの欠点が見つからないのは素直に関心しますわ」
その話を聞いて納得するハリ。
平民の女の子に見えなくて驚いたんだな、と。
それでもやっと認められた。
私の20年の人生は無駄じゃなかったんだな。
「私の言葉で気を悪くされたらごめんなさい」
口元に手をやり、慌てて謝罪の言葉を述べます。
そして、
「でも、私達は仲良くなれると思います」
と優しく微笑むロザベラ。
ハリもニコリと微笑むと、
「私も楽しみにしてます。家族になるんですから」
と答えました。
42話感想
叔母さんの次の悪役登場ですね!
エルンスト家の家族と認められたハリは、こんな令嬢相手にどうってことないと思いますけどね…。
ルイーゼはエダンがタイプの男性だと言ってましたね。エダンって、少しヨハンと似てると思うんですよ。だからですかね??
そして、やっとユージンの婚約者のご尊顔が拝見できました!ちょっと表情がお母さんに似てる気がします…。ハリとロザベラの関係はゆがんだりしないと良いのですが…。
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