ネタバレ注意です!
あらすじ
7歳の時、母親を亡くし、エルンスト公爵家の養子となった、ハリ。 しかし、公爵家の3兄弟から認めてもらえず、地獄のような日々を送ることとなった。 27歳で縁談が決まり、屋敷を出て行くことに。 ようやくこの地獄のような日々ともお別れかと思いきや、寝て起きてみると、 あの辛い幼少期に時が巻き戻っていた! 「これは夢? フン、そう簡単に覚めない夢なんだったら、今度こそ好き勝手にやらせてもらうわ!」(※ピッコマより抜粋)
登場人物
ハリ | 主人公。本当は27歳だけど、起きたら7歳に戻っていた |
ユージン | エルンスト家長男。冷静で、物事に動じない |
キャメル | エルンスト家次男。剣の天才で、やんちゃな性格 |
エーリッヒ | エルンスト家三男。ハリの事を特に敵視している |
アリナ | ユージン達の実の妹。病気で亡くなった |
ヨハネス・バスティーエ | ハリの未来の旦那様。とても優しい性格 |
ルイーゼ・バスティーエ | ヨハネスの妹。ハリとヨハネスが大好きで、キャメルが苦手 |
39話ネタバレ
前回はルイーゼと一緒にフラワーマーケットへ行き、偶然ユージンと会いましたね。
そのすぐ後にエルンスト家への帰還する事が決まりました。
ハリは忘れ物は無いかと部屋を見渡します。
すると、紅茶を準備したヨハンが様子を伺いにハリの部屋を訪れます。
2人はイスに腰掛けます。
「君が初めてここに来た事を覚えてるよ。エルンストの屋敷で会ってから、ずっとここに来てほしいと思ってたんだ」
「私も覚えてるよ。キャベルに、連れてってもらえないか尋ねたもの」
ハリは可笑しそうに笑いながら言います。
「初めて会ったとき、『あぁ、僕がこの子を守ってあげないといけない』と思ったよ」
ヨハンの言葉にドキリとし、思わず紅茶を飲む手が止まりました。
「あの時の君がとても悲しそうだったから、僕は君を笑顔にしたいと思っていたんだ。ずっと昔からここに居る気がするけど、そうじゃないんだよね」」
と、どこか懐かしむ様子でヨハンは言います。
「6年は長いよ」
「ハリ、君はエルンスト家で2年しか過ごしていないじゃないか。バスティーア家よりもエルンスト家の方がいい?」
ヨハンに訴えるように言われ、ハリは思いに馳せます。
本当は20年以上エルンスト家で過ごしてきたハリ。
『君は僕たちの妹だ』
自分を受け入れてくれた皆。
ううん…そんな事言われなくても、エルンストを去るわけがない。
「戻ったら、小母様によろしくね」
「わかったよ。いつかまた来たいと思ってもらえるようにするからね。エルンスト家に戻りたいって言うのと同じように…」
「…」
困っているハリに気付いたのか、ヨハンもまた困ったように「今はそんな自分勝手なマネはしない」、と付け加えました。
そして、明日は朝く起きないといけないので、早く寝るようにと言いヨハンは席を立ちました。
「ありがとう、ヨハン。あなたと一緒に居られて、本当に良かった」
ハリの言葉に、ヨハンは優しく微笑み返しました。
―――
――
―
翌日。
ハリ達を迎えにバスティーア家を訪れるユージン。
再会を喜ぶ兄弟達を馬車へ乗せると、エルンスト家へ帰還します。
エルンスト家では執事のヒューバートが出迎えました。
「久しぶり、ヒューバート。元気だった?」
「気にかけてくださりありがとうございます」
ヒューバートとの再会を嬉しく思い、ハリは思わず声を掛けます。
ヒューバートもまた兄弟たちとの再会を喜び、嬉しそうに顔を綻ばせます。
「ハリ、家の中へ入ろう」
「そうだぞ。挨拶が済んだなら十分だろ。中へ入ろうぜ」
中へ入ろうと催促するユージンとキャベル。
ずっとここで暮らしていたユージンはともかく、キャベルは何とも思わないのか、とハリは不服に思います。
「挨拶は後でいいから、中に戻ろう」
エーリッヒまでそんな事を言い、ハリはむすっと口をヘの字に曲げました。
ヒューバートが中へ案内すると、優しかったエルンスト夫妻を思い出します。
大好きなこの2人には、ただ感謝の気持ちしかありませんでした。
ハリの部屋はそのままにしてあると言われ、ワクワクしながら自室へ向かいます。
「全部そのままだ‥‥」
時が止まっていたかのように変わりの無い部屋を見て、思わず言葉を漏らします。
そして、ベッドの上に置いたままのエーリッヒに貸したうさぎの人形を見て、苦笑いを浮かべました。
すると、コンコンと部屋をノックする音が聞こえました。
扉を開けてみると、そこにはキャベルとエーリッヒが佇んでいました。
「もう見て回ったの?」
「そんなに見るところ無いだろ」
あっけらかんに言うキャベルに、
「2人は気にならないんだね?」
とハリは呆れたように言います。
「そりゃ、事前にきたんだ…うっ!」
「ストップ」
口を滑らせるキャベルに、肘打ちをして黙らせるエーリッヒ。
事前に来た?と訝しむハリでした。
―――
――
―
とある部屋の前で、
「君にプレゼントだ」
と、言うユージン。
部屋に入ると、そこには一台の白い立派なピアノが置かれていました。
「これはハリの物だよ」
「!」
ハリは嬉しそうに目を輝かせ、ピアノに近付きます。
「ありがとう!とても気に入ったわ。見た事ないくらい美しいピアノだね!」
嬉しそうなハリを見て、ユージンは満足そうに目を細めました。
「見終わったなら食事にしようよ」
「おぉ、食べようぜ!」
感慨深さも何も感じていないエーリッヒとキャベルにガッカリするハリ。
「食事にするのはまだ早いんじゃないの?」
「何言ってんだよ?家に帰ってきたらまず食事だろ」
そんな伝統あったかな?とハリは心の中でツッコミます。
ユージンもクスリと笑うと、早く食事にしようと言いました。
みんな腹ペコなの?仕方ないな、と笑うハリでした。
39話感想
やっとエルンスト家に兄弟揃いましたね!
ハリは久しぶりに帰ってきたので、懐かしく思い落ち着かない様子。
エーリッヒやキャベルは以前に帰った事があるって言いかけてましたよね。いつ帰ったのでしょうか…。
ピアノの搬入は本人達はやらないですよねw
兄弟達が「ご飯食べよう」と言っていたのは、以前ハリが泣きながら「みんなでご飯食べよう」と言ったのを覚えてるからかな、と思いました。一人で食べるご飯は嫌、とハリの初めての我儘?だった気がします。
兄弟たちはハリの事を大切に思っていますよね。
尊いです…。
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