ネタバレ注意です!
あらすじ
ある日、目覚めたらお姫様になってしまった…!?皇族に生まれ変わったのはいいけれど、よりによって実父の手で殺められる悲運のお姫様なんて!!血も涙もない冷血な皇帝・クロード。死にたくないなら彼の目に留まってはいけない…なのに!!!「いつからこんな虫けらがいたんだ?」早速、皇帝の目に留まってしまったアタナシア。果して彼女は生き残れるだろうか。「私……どうしよう……!?」(ピッコマより抜粋)
登場人物
アタナシア | この物語の主人公のお姫様です。『かわいらしいお姫さま』の物語上では、サブキャラという設定です。クロードに殺されないよう頑張ってます。 |
クロード | オベリア帝国の皇帝陛下であり、アタナシアの父。今はアタナシアを守るために魔法を使った反動で、アタナシアの事を忘れてしまいました。 |
ジェニット | 『かわいらしいお姫様』の物語上では、ヒロインの設定です。アナスタシウスとクロードの元婚約者の娘ですが、周囲の影響で本人はクロードの隠し子だと思っています。 |
ルーカス | 世界一の魔法使い。アタナシアの命の恩人です。 |
イゼキエル | 『かわいらしいお姫様』の物語上では、男主人公の設定です。アルフィアス家の長男。 |
リリー | アタナシアの世話役。 |
アナスタシウス | クロードの兄です。謎の男、とか紳士様って言われてます。以前は金髪に宝石眼だったのですが、今は黒髪になってます。 |
シロおじさん(ロジャー・アルフィアス) | イゼキエルの父であり、ジェニットの叔父にあたります。 |
フィリックス | アタナシアの護衛です。 |
98話ネタバレ
ジェニットと仲直りした話をルーカスにして、微妙な顔をされたところで前回は終わりましたね。
「なんだ、あいつは怒る事ができないのか?」
「仲直りできたのが気に入らないわけ?」
「今まで必死に隠していたのに、なんで全て打ち明けたんだ?」
心底理解できない、と苛立った様子でルーカスは尋ねます。
「ジェニットにも知る権利はあるでしょ」
ふと、暗い影を落としてアタナシアは言います。
結局のところ、ジェニットは問題の中心にいるのです。
これからは、下心のある人の言いなりになるのではなく、自分で幸せの道を選ぶべるようにと思い、アタナシアはジェニットに打ち明けたのです。
「これまでジェニットは、利用されている間、何も分からず暗闇の中にを彷徨っているような感じだったんだよ」
心配そうに言うアタナシアに、どうでもいいと言わんばかりに適当にルーカスは相槌を打ちます。
「それと…ジェニットもあの事に気付き始めてたよ」
「何を?」
「アエテルニタスの存在に」
「…なんだと?」
アエテルニタス、と聞き目の色を変えるルーカス。
「ジェニットにもらったリボンを見せて、私の感じた疑惑を説明したの。まぁ、私の言う事を簡単に信じるとは思ってなかったけど…」
―――
――
―
「父は…そんなに悪い人だと思えません…」
アタナシアの説明に神妙な面持ちで答えるジェニット。
しかし、拳をきゅっと握ると、ジェニット自身も感じた違和感について話を始めます。
先日、父を見たとき全くの別人のように見えたこと。
瞳、表情、話し方…全てが、父とは違う人物のようだった、と。
「まるで、何かに憑依されていかのようでした」
―――
――
―
予想外の事を言われた、とアタナシアは言いました。
その話を聞き、アエテルニタスは存在すると確信を得たルーカス。
なるほど、と言って明後日の方を見ます。
「もしジェニットが自分の存在を知ったとアエテルニタスに気付かれた場合、何をするかわからない。だから早くパパを起こして、一刻も早く手を打たないと…」
そして、ルーカスが明後日の方向を見て目を合わせないようにしていることに気が付きます。
「‥‥‥‥」
ルーカスの視線の先に入ろうとすると、ルーカスは視線を逸らします。
「‥‥‥‥」
もう一度ルーカスの視線の先に入ろうとしますが、やはり視線を逸らします。
私の事を心配してこんな事をしているんだろうな、と感じるアタナシア。
「ねぇ、ルーカス。聞いて」
ルーカスは横目でアタナシアを見ます。
「なんとなくだけど…本当にアタナシアになった気がするの」
「…」
何も言わないルーカス。
その反応を見て、ちょっと変な言い方になっちゃうけど、と言葉を付け足して話を続けます。
「私が言いたいのは、『本当の自分』を他人と思っていた時期があったって事。でも、結局のところ、全ては自分の為なんだと思う」
「世界樹が教えてくれたのか?」
ルーカスは世界樹を、『世界を支えているだけの存在』だと思っていました。
なのに、アタナシアに助言をしたと感じお節介だなと呆れますが、
「ううん」
世界樹じゃないと予想外の事を言われ、意外だなと少し驚いた様子でアタナシアを見ます。
「自分で気付いたって事かな…?本当の事言うと、全てを覚えてないというか…」
孤独が辛くて、いつも逃げていた。
だからダメだったんだ、と思うアタナシア。
「だから、今回はこうしなきゃと思ったの」
逃げないで立ち向かうと決めた、とアタナシアは優しく微笑みます。
「そうだ、世界樹が私に話しかけてくれたと思うんだよね。まぁ、覚えてないけど…」
「何だって!?話しかけた!?」
「もう1回触れば思い出すかも…世界樹の枝出してくれない?」
「ダメだって言っただろ!」
うるうるモードで懇願しますが、断固拒否のルーカス。
「その結果がどうなるか教えたはずだ!」
「それなら大丈夫。私が死んだとき、オベリアの事を頼むってジェニットに言ってあるから」
平然と答えるアタナシア。
遺言は準備済みかよ、とルーカスは心の中で叫びます。
「で、反応はどうだったんだよ」
「ジェニットも私を止めようとしたけど…」
アタナシアは、その時を振り返ります。
―――
――
―
「姫様、いけません!」
その話をされ、ジェニットは強く非難します。
しかしアタナシアはジェニットの手を優しく取ると、優しく微笑みながら言います。
「でも、もしあなたが私の立場だったら、きっと同じ決断をしていたと思います。そうでしょう?」
ジェニットは涙を浮かべ、辛そうに頷くのでした。
―――
――
―
「でもね、凄いんだよ。ジェニットと話してから、失敗する気が全くしないんだよね」
と、誇らしげに笑ってみせるアタナシア。
「…」
それを複雑そうな表情を浮かべてルーカスは黙ります。
「いいよね?ルーカス」
「‥‥」
世界樹の枝を見せるんじゃなかった、とルーカスは後悔しますが、自信満々の笑みを浮かべるアタナシアを見て、後悔しても遅いなと感じるのでした。
―――
――
―
2人で話がしたい、とアタナシアはフィリックスを庭園のベンチへと連れていきます。
「世界樹の枝…ですか?それは、あの伝説の木のことでしょうか?まさか、姫様が行くと…?」
アタナシアから話を聞いたフィリックスは、内容を理解すると咎めるように言います。
「いけません、姫様!あなたの命が危険です!そのような危険な事をしてはなりません…。他に道はないのですか?」
「今のところはこれしかないと思う。こうでもしないと、パパは目覚めない」
俯きながら言うアタナシア。
「私も、陛下を助けたいと心の底から思っていますが…。しかし、あなたの命を懸けるなんて…私には、あまりにも恐ろしいです」
顔を真っ青にして言うフィリックスに、アタナシアは優しく微笑んで言います。
「でも、パパを助けるにはこの方法しかないの。危険だけど、私は戻ってくるって約束する」
「リリアン…レディ・リリアンは…!」
フィリックスは何とか声を振り絞ってリリアンの名前を出します。
「レディ・リリアンは絶対に認めませんよ!」
「そうだね。だから、リリーには言わないでね」
「しかし…!」
すっとアタナシアは一通の手紙を差し出します。
「もしもの事があったら、リリーに渡して。状況を書き出したから」
手紙を受け取ると、どうやって渡せば…と困惑するフィリックス。
「私が信頼できるのは、リリーとフィリックスだけだよ。お願い、リリーに渡してほしいの」
そこまで言われ、もはやフィリックスに否定する権利はありませんでした。
ある程度の身辺整理はできた。
書類の確認も終わった。
私が戻れなかったら、イゼキエルに手紙を渡すようにジェニットに頼んだ。
「よし、出発するとしよう!パパを助けに!」
アタナシアは颯爽と立ち上がると、遠くを見つめて決意を露わにするのでした。
98話感想
クロードを助けに、再び世界樹を訪れる事になったアタナシア。
これでクロードが目覚める事ができるのでしょうか…!?
ある姫って、クロード目覚める→アナスタシウス(アエテルニタス)退ける…で終わりですか?小説は読んだ事無いので分からないのですが…。
だとしたら、もう少しで終わり??
寂しいですね…。
ルーカスとのいちゃいちゃをもっと見せて欲しいのですが!
イゼキエルがすっかり出番少なくなっちゃって…イゼキエルも姿を見せてほしいと思う今日この頃。
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