ネタバレ注意です!
あらすじ
ある日、目覚めたらお姫様になってしまった…!?皇族に生まれ変わったのはいいけれど、よりによって実父の手で殺められる悲運のお姫様なんて!!血も涙もない冷血な皇帝・クロード。死にたくないなら彼の目に留まってはいけない…なのに!!!「いつからこんな虫けらがいたんだ?」早速、皇帝の目に留まってしまったアタナシア。果して彼女は生き残れるだろうか。「私……どうしよう……!?」(ピッコマより抜粋)
登場人物
アタナシア
この物語の主人公のお姫様です。『かわいらしいお姫さま』の物語上では、サブキャラという設定です。
クロードに殺されないよう頑張ってます。
クロード
オベリア帝国の皇帝陛下であり、アタナシアの父。
今はアタナシアを守るために魔法を使った反動で、アタナシアの事を忘れてしまいました。
ルーカス
世界一の魔法使い。アタナシアの命の恩人です。
フィリックス
アタナシアの護衛です。
96話ネタバレ
前回は、アタナシアが世界樹の木の元へ飛ばされたところで終わりましたね。
クロードを助ける方法
「おい、俺の声が聞こえるか!?」
焦った様子でルーカスはアタナシアに声を掛けます。
その声に答えるかのように目を開くアタナシア。
宝石眼をいつもよりも爛々と輝かせ、目をぱちくりとさせて辺りを見渡します。
「あれ…?」
先ほどまで世界樹の元に居たのに、気付いたらソファーの上で横になり、さらにルーカスのローブがかけられていました。
「バカだろ、危険な物だって見ただけで分からないのか?」
どうやって掴んだ、等とルーカスは言いますがアタナシアの耳には届きません。
「ルーカス!もう一度世界樹の枝を出して!私は何だって出来る!パパを治せる!」
身を乗り出して言うアタナシアに、落ち着けとルーカスは言います。
ルーカスが言うには、今のアタナシアは世界樹に触れたことにより、全知全能感に酔いしれているそう。
深呼吸をさせると、爛々としていた宝石眼が元に戻ります。
正気に戻ったか、と尋ねると少しガッカリしたように頷きます。
世界樹を利用したとしても、パパが良くなるという保証は無いとルーカスは言います。
前例も無い上、パパは意識も無いため魔力操作ができないと付け加えました。
しかし、それは私がやるとアタナシアは言います。
自分の魔力暴走に巻き込まれたので、パパは記憶を失った。だから世界樹を直接使えば可能なはず。
そうアタナシアは説明をします。
その話を聞き、ルーカスは神妙な面持ちで、なぜ知っている?と尋ねました。
アタナシアは自分でも分からないと言いますが、すぐに思い出したように言います。
世界樹に会った時、教えてもらったと。
パパの病気を治したいと思っていた、だから教えてくれたんだと明るい口調で言うアタナシア。
それに対し、必死なこいつに反応したんだろう、と苛立ちを覚えるルーカス。
「その方法で死ぬ可能性がある、と言われたか?」
「…ううん…。でも、死なない可能性もあるんでしょ」
アタナシアの言葉を聞き、腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えます。
本当に理解できない、と。
世界樹の力を使えばクロードは助かるかもしれない。
しかし、その反動でアタナシアは死ぬ可能性もある。
彼を救う事に自分の命を投げ出す価値はあるのか?
家族がそんなに大事なのか?
クロードさえ切り捨てれば前皇帝やアエテルニタスを一瞬で消せるのに。
そう思う反面、呪いを解呪してクロードを助けようとしている自分にも苛立ちます。
それがアタナシアの望みなのだから。
「お前の望みは叶えてやるつもりだが、この件だけは足を踏み入れさせてもらう。ただ、お前が失敗すればオベリアは皇帝とその姫を同時に失う事になるからな」
不機嫌そうにルーカスは言います。
もしそうなったら、前皇帝とアエテルニタスの暴走は誰にも止めることはできないだろう、と言うと慌てた様子でそれって重要な事じゃない?と言うのでした。
夢
アタナシアは夢を見ます。
幽体となった自分が、破壊の限りを尽くされ燃え盛る宮殿でただ佇んでいました。
「!?」
ガバっと勢い良く目を覚ますアタナシア。
妙にリアルな夢のせいで身体の震えが止まりません。
あれは可愛らしいお姫様の続きなのかな…?
オベリアは炎に包まれて、煙と灰の臭いがまだ残っている。
パパが起きなかったらどうなるんだろう、と不安に駆られます。
そして、世界樹と対面した時の事を思い返します。
世界樹は本当に暖かく感じた。死とかそんな気配は全くしなかった、と。
そして、もう一つ世界樹が教えてくれた事を思い出そうとしますが、不思議とその部分だけがすっぽりと抜けてしまい、どうしても思い出せないのでした。
アタナシアの決意
執務室にて、伯爵とその従者により渡された手紙に目を通します。
それは、皇帝に直接報告をしたいという内容でした。
「今頃陛下はお休みになられている頃でしょう。さぞかし快適な思いをされているので、二度とここには戻ってきたくないと思っておられるでしょう」
笑い声を上げながら冗談混じりに言う伯爵に、アタナシアは冷ややかな目を送りながら言います。
「陛下は伯爵と家臣の忠誠心をよくご存じなので、どんな反応をするのか予測していました。あなたの忠誠心は私が聞いていた通りですね」
アタナシアの言葉に二人は身体をビクリと震わせます。
皇帝が本当に戻ってきたらどうするか、とヒソヒソと話し合う二人を冷徹眼差しで一瞥し、フィリックスが言い放ちます。
「お帰りください、伯爵様」
フィリックスの威圧感に押されて2人は捨て台詞を吐くと慌ててその場を後にします。
2人の後ろ姿を睨みつけたまま、不穏な動きをする者が増えたとフィリックスは危惧します。
そして、それらが前皇帝の元に集まったとき、戦争が勃発するかもしれない。
姫様に相当な負担がかかるかもしれない、とフィリックスは心配します。
そしてアタナシアは一人、何か決意を固めたように顔を引き締めるのでした。
96話感想
着々とラストスパートに向けて詰めてきてる感を感じます…。
今回、ルーカスがアタナシアをどんなに大切にしているかが顕著に表れていたと思います!
ソファで眠るアタナシアに自分のローブをかけてあげたり、クロードの事よりもアタナシアを心配したり…アタナシアの望む事は全て叶える発言もしていましたからね!
本当、くっついてほしいです!
早く日本語で読みたいですね~!
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