ネタバレ注意です!
あらすじ
ある日、目覚めたらお姫様になってしまった…!?皇族に生まれ変わったのはいいけれど、よりによって実父の手で殺められる悲運のお姫様なんて!!血も涙もない冷血な皇帝・クロード。死にたくないなら彼の目に留まってはいけない…なのに!!!「いつからこんな虫けらがいたんだ?」早速、皇帝の目に留まってしまったアタナシア。果して彼女は生き残れるだろうか。「私……どうしよう……!?」(ピッコマより抜粋)
登場人物
アタナシア
この物語の主人公のお姫様です。『かわいらしいお姫さま』の物語上では、サブキャラという設定です。
クロードに殺されないよう頑張ってます。
クロード
オベリア帝国の皇帝陛下であり、アタナシアの父。
今はアタナシアを守るために魔法を使った反動で、アタナシアの事を忘れてしまいました。
ジェニット
『かわいらしいお姫様』の物語上では、ヒロインの設定です。
アナスタシウスとクロードの元婚約者の娘ですが、周囲の影響で本人はクロードの隠し子だと思っています。
イゼキエル
『かわいらしいお姫様』の物語上では、男主人公の設定です。
アルフィアス家の長男。
アナスタシウス
クロードの兄です。謎の男、とか紳士様って言われてます。
以前は金髪に宝石眼だったのですが、今は黒髪になってます。
83話ネタバレ
ジェニットの相談(再び)
アナスタシウスとジェニットは二人で、邸宅内の庭園のベンチに腰掛けてます。
そして、アナスタシウスの急な一言で始まります。
「失望したでしょう」
ジェニットはきょとんとした表情です。
「皇帝の体調を心配していたにも関わらず、あなただけが帰された状況に」
「えっと‥陛下の具合が悪い事が心配でした…。お二人とも私が家族だとは知らないから仕方ないのでしょうが…」
前回、クロードが怪我をした時。自分だけが帰された事を、アナスタシウスに相談している様でした。
皇帝陛下の体調は皇族や重要関係者以外に知られてはいけない事をジェニットは知っています。
その中に入って居ない事に、ジェニットは寂しさを感じていました。
「本当の事を言ってみたらどうでしょう?家族だ、と」
「う…」
アナスタシウスの言葉に、ジェニットは硬直します。
「どうかしましたか?」
「以前…姫様に尋ねた事があります。『私が本当の姉妹だったらどうしますか?』と…。姫様は、ショックを受けたような様子で、何も仰いませんでした」
と、ジェニットは悲しそうな様子で言いました。
その話を聞き、アナスタシウスは思考を巡らせます。
貴族のお嬢様と仲が良過ぎるだと思っていたのだが。
やはり、彼女はクロードから聞いたんだな。
ジェニットの正体を。
彼らはジェニットの心を掴もうとしているのか?
父子揃って狡猾だな…。
「姫様は私のことを仲の良い友人だと思ってくれているようですが、それだけでしょうか?」
ジェニットは悲しそうに呟きます。
「以前、皇室の話はしましたよね?」
そして、またアナスタシウスは誰かの言葉を思い出します。
―愚か者め。
何を真面目に相手してるんだ?
適当に相手をして従わせろ。
「私…皇位継承権なんていりません。ただ…姫様が好きなだけなのに…。
私には後継者になる資質があると言いましたよね。しかし、私は姫様より優れていません。それに、魔法も使えません…」
「玉座には相応しい者が座る事が出来るので、魔法は重要ではありません」
アナスタシウスの少し強めの口調に、ジェニットは驚きます。
そして、少し間を置いてから言葉を続けます。
「あなたが即位したいかどうかは別として、私はレディーが王位につく資格があると思います」
「わ、私がですか…!?」
怪しい赤黒の眼を光らせて言うアナスタシウス。
「貴女は優しくて繊細な女性なので、多くの民を愛し・愛される皇帝になれるでしょう」
「誉めすぎです…」
ジェニットは何て返答したら良いか分からず、気まずそうに笑みを浮かべました。
そして、その様子を部屋の窓から見ていたイゼキエルは思います。
あの男…最近、ジェニットとよく居るな。
何か企んでいるのか?
アナスタシウスの呪い
翌日。
皇宮へ行こうとするジェニットをアナスタシウスが呼び止めました。
そして、ジェニットが腕に着けているブレスレットに目が行きます。
「そのブレスレット…市場で買った物ですか?」
「はい。姫様に見せたかったのです」
と、幸せそうに微笑むジェニット。
「今まで着用しなかったのはなぜですか?」
「どこから来たのか尋ねられたくなかったので…」
アタナシアと市場に行った事は秘密です。その為、アタナシアから貰ったという事も秘密になります。
だからジェニットは誤魔化すように言いました。
そのブレスレットを見て、貴族の女性が身に着けるような品質じゃないとアナスタシウスは思います。
「あなたが大切にしている物を見たら、きっと姫様もお喜びになるでしょうね」
「そうだと良いのですが…」
ジェニットの様子を見て、アナスタシウスは冷めた様子で思います。
家族だと伝えるつもりは無いようだな。
そうか、それで良いんだな。
同じ方法を二度使う気は無いのだが…。
同じ方法とは…一度目はジェニットがアタナシアに送った青いリボンにかけた魔法の事を言っている様子でした。
アナスタシウスはジェニットのブレスレットに、二度目となる呪いをかけます。
(これは姫自身が市場で手に入れたものだから、失敗しても怪しまれる事は無い。
公爵は、皇帝は回復したように見えると言っていた。しかし、それは間違いだった。今が良い時だろう)
「では、行ってきます」
馬車に乗り、皇宮へ向かうジェニット。
「素晴らしい一日になるよう願います」
と、アナスタシウス勝ち誇った笑みを浮かべました。
呪いの効果
―アナスタシウスの夢の中。
『あれを見て』
少し幼いアナスタシウスの隣に立つ少女―フェネロペが口元に手を当てて嘲笑います。
『あなたの弟、また笑い者にされてるわよ』
―――
――
―
ジェニットは皇宮に着くと、庭園へ案内されました。
そこにはすでにクロードとアタナシアが居ました。
嬉しそうに二人に近づくジェニット。そして、歓迎するアタナシア。
もちろん、ブレスレットは外していません。
『失敗しても成功しても、呪いに侵される姿を見届けられないのは残念だ』
『これが最後になるのを願うよ』
自室にて、自嘲気味に一人呟くアナスタシウス。
そして―
お茶会にて、お茶に口づけるクロード。
しかし、そのお茶を飲む事は叶いませんでした―。
―――
――
―
夜。
アナスタシウスは自室の扉をノックされて起きます。
扉の向こうからは「紳士様」と呼ぶ声が聞こえました。
いつの間にか寝ていたアナスタシウスは、のそのそと起き上がりました。
「どうしましたか?」
扉を開けると、真っ青な顔を浮かべて泣くジェニットが立っていました。
「へ、陛下が…」
その言葉を聞き、ニヤリと口元を歪めるアナスタシウス。
「陛下がどうしましたか?」
血塗れで倒れているクロードの姿。
それで、何が起こったのか物語っていました。
83話感想
わあああああああ!!
クロードがやられた!これ、原因が分かった時ジェニット大丈夫なんですかね??
周りから責められるのはもちろん、自分の事も責めちゃうんじゃないのかな。。てか、娘にそんな事させちゃいかんでしょ!
ただでさえクロードは死にかけてるのに…死なないですよね??
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